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■地震動応答解析のおはなし
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第3話 「震動解析をなぜやらないの?」


中沢: 「島課長!なぜ振動解析するのですか?」
島課長: 「なぜ振動解析するのかを答える前に、10階建以下の一般の建物は、なぜ振動解析しなくて良いか?について話してみようか。基準では31m以下という表現をしているがね。」
中沢: 「そうですね。高層や塔状建物は振動解析が義務づけられていますが、通常の建物静的解析でOKですよねー。」
島課長: 「そうだよねえ。振動解析しなくて良いのは、コンピュータが高価で誰もが使えなかったと言う意味もあるが・・・。」
中沢: 「なるほど、なるほど
島課長: 「静的解析で良し、とするまでには先生方の長〜い実験や、研究があるわけだよ」
中沢: 「・・・??どう言うことですか?」
島課長: 「一言でいうと、先生方がたくさんの振動解析をした結果として、今の静的な基準が出来たと言う事だね。」
中沢: 「なんか、解った気もします。でも解ってないとも言えるし・・・。」
島課長: 「たとえば、地震時の外力分布に対応するAi分布があるよね。」
中沢: 「はい。Ai分布ですね。」
島課長: 「このAi分布がどのようにして導かれたかと言うと・・・。まず建物実際の地震波形を入力する。その時、建物に生じる最大地震力が解るね。これを、いろいろな地震波形を入力して同様に調べる。また、建物も数階〜10階ぐらいの建物をいろいろ想定し、それらを同様に調査する。されらを統計的に処理し、導かれたのがAi分布なんだよ。」
中沢: 「なるほど、そうすると、私たちがやっている静的解析は、動的解析と等価なものと言えるわけですね。」
島課長: 「う〜ん、等価としたかったんだけど、実際はそう甘くないね・・・・・。というのは、5階から10階という建物はいろいろ難しい問題を含んでいるんだよ。」
中沢: 「・・・??どう言うことですか?」
島課長: 「一次設計でOKになっても、地震動応答解析をすると、NOってこともあるんだよ」
中沢: 「でも、先程は動的解析を十分重ねて統計的に処理したとおっしゃってましたね。ということは動的解析しても大丈夫ということでは?」
島課長: 「建物の固有周期ってどのくらいあるか知ってるだろう。」
中沢: 「・・・??まだ地震動応答解析について勉強をはじめたばかりですから、知りませんが?」
島課長: 「振動特性係数Rtを計算するときに使う略式算だよ。」
中沢: 「あの式ですか。確か、T=h(0.02+0.01a)でしたね。」
島課長: 「そう。RC造であればT=0.02hだよね。5階〜10階以下の建物だと0.3秒〜0.6秒前後の固有周期となるんだ。」
中沢: 「この固有周期だと何か難しいことがあるんですか?」
島課長: 「共振作用が働くんだよ。」
中沢: 「え!共振ですか?共振するということは、地震波形と建物の周期が似かよったときに起こるんですよね。」
島課長: 「まあ、そう言うことだが、もう少し正確な言葉で言うと、〔ある地震波がどのような建物に大きく影響を及ぼすか〕を示す図として応答スペクトル図というのがあるんだ。」
中沢: 「応答スペクトルという言葉はよく聞きますね。」
島課長: 「詳しくは、後で時間があるときに教えてあげるが、その図によると、例えば、有名なエル・セントロ地震波形などは、周期が0.5秒〜0.6秒の建物に影響を及ぼす成分が卓越しているんだ。」
中沢: 「と言うことは、高さ25m〜30mぐらいの建物に相当しますから、8階〜10階建ての建物ということですね。」
島課長: 「多くの地震波形が、中層から高層の建物に影響を与えるところで卓越していることが分かっているんだ。」
中沢: 「ということは、5階〜10階の建物の構造設計をするということは、非常に難しい要素を含んでいるということですね。」
島課長: 「そうなんだよ、中沢君!静的な基準に慣れてしまうと、見落としてしまうのが、この辺のところだね。構造設計の原点に立ち戻る意味でも、地震動応答解析を勉強することは大変大事なことなんだ。」
中沢: 「よくわかりました。一生懸命勉強します!」
(星 睦廣)


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